励まし 引っ込み思案な性格が90%治る話

■自分を客観的に見るメリット

主観的な世界は大切です。

あなたが生きている中でどう感じているのかはあなたにしかわかりません。

そしてどう決定したいかの意志もあなただけが持っています。

あなたの人生をあなたらしく豊かに生きる。

そのためには心に本来持っている、「主観」を大切にしなければなりません。

一方で反対に「客観」も必要。

人間は社会的な生き物で、他の人間と関係を結ばなければ生きていけません。

「1人で生きて行こう」とする人も大勢います。

ただ、様々な経験を積むうちに「到底一人では生きていけない」と何かをきっかけとしてある日気づきます。

あらゆるサービスを受けることを前提に成り立つ生活の中で、他者と一切かかわらずに生きていくことは不可能。

そうした他者との関係を円滑にするために必要なことが客観性です。

「今こう言ったら相手はどう思うか」

「この行動は他者の目にどう映るか」

を判断する力が客観性です。

人は小さいころから親からトレーニングを受けて、客観性を養います。

仮におもちゃ売り場で駄々をこねて大騒ぎをすれば母親に叱られます。

その時母親は「他の人の迷惑になるでしょ!」と子ども叱り飛ばします。

もちろん最初は「怒られるから騒ぐのはやめよう」と言う学習をします。

そのうちに母親の言葉通り「大声で騒ぐことは他の人にとって嫌なことなんだ」と理解し、他の人からの視点を獲得、吸収します。

その子供がもう少し大きくなれば、かつての自分と同じようにおもちゃ売り場で騒ぎ立てる子どもを見て、「うるさいな」と感じるように成長します。

そうなれば実体験として「大声で騒ぐのは迷惑なことだ」と「知る」ことが出来ます。

大人になればなるほど他者との関係は複雑になっていきます。

その複雑さにより、客観性が重視されます。

客観的なものの見方が出来ない人は他人から「敬遠」されます。

社会的に生きていくために求められる客観性。

実は客観性を上手につかむためのヒントは「ジョハリの窓」と呼ばれる図の中にあります。

■ジョハリ(除破離)の窓を覗いてみよう

「ジョハリ(除破離)の窓」とは、自分を4つの領域に分けて整理することで「自己理解を深める」方法です。

では、心を落ち着けて以下のような作業をしてみましょう。

まず自分に関する情報を、できるだけたくさん書きだします。

例えば、あなたの職業、出身地、卒業した学校や学部と言ったラベル的な情報だけでなく、元気だ、真面目だ、神経質だ、おおざっぱだ、と言った性格の情報も書き出してみます。

子どもが好き、お酒は苦手、と言った好みの情報でもいいですし、機械に強い、料理が苦手、のように得意なこと不得意なことの情報でも大丈夫。

とにかく自分について思いつくことを丁寧に思い出してみましょう。

それが済んだら、漢字の「田」の字のような、4つのセルのある表を書きます。

チラシの裏でも構わないので、できるだけ大きな表を書きましょう。

次に、4つのセルの1つ1つに以下のような名前を付けます。

1つ目 「自分も他人も知っていること」

2つ目 「自分は知っているが他人は知らないこと」

3つ目 「他人は知っているが自分は知らないこと」

4つ目 「自分も他人も知らないこと」

ここまでできたら準備はOK!

ゆっくりで良いのでじっくりと思考を煮詰めながら思索してみましょう。

ではさっきたくさん書きだしたあなたの情報を、表の当てはまるセルの中に書き写していきましょう。

自分に関する情報を4つのセルにまとめていくことで、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の「ずれ」が見えてきます。

「ずれ」を認識したり修正したりするのに役立てるのが、「ジョハリの窓」の目的。

ではAさんという人物を例にとり、各領域を1つずつ具体的に見ていきましょう。

1・自分も他人も知っていること ~開放領域~

Aさんは自分についての情報として「引っ込み思案だ」と書き出しました。

学校の先生も通知表に「おとなしい」と書いていましたし、上司からも「もっと積極的に発言してもいい」と言われた過去があります。

このことからAさんについての「引っ込み思案だ」という情報は、Aさん自身も周りの他者も知っていることです。

Aさんは「自分も他人も知っていること」のセルに「引っ込み思案だ」と書き写しました。

「自分も他人も知っていること」の領域を、心理学では「開放の領域」と言います。

この部分に長所となる情報が入るようであれば、それは今後のスキルや人間関係を充実させるための資源となります。

短所となる情報が入る場合も、それは改善のチャンスに恵まれているという事。

他人にも指摘され自分でも自覚している短所ほど、改善しやすいものはありません。

自分を磨き上げるための要素が詰まっているのが、「開放の領域」なのです。

2・自分は知らないが他人は知らないこと ~隠蔽領域~

Aさんは「子どもが好き」という情報を書き出しました。

Aさんは学生時代に、小学生に勉強を教えるボランティアをしたことがあります。

子どもの素直さやかわいらしさにじかに触れたことから、子どもがとても好きです。

そのため、いつか自分の子どもを持ちたいと思っています。

でも今の職場では子どもとは全く関係ない仕事をしているため、子どもに関する話をすることはありません。

たまに同僚の子どもの話になっても、引っ込み思案なAさんは積極的に子ども好きだと言い出せずにいます。

ですから周りの人はAさんが「子どもが好き」だということを知りません。

Aさんは「自分は知っているが他人は知らない」という領域に「子どもが好き」と書き写しました。

「自分は知っているが他人は知らない」の領域は、正式には「隠蔽の領域」と言います。

他人にアピールされることなく、自分の中にとどまっている情報のことです。

ここに長所となる情報が多く入っているのなら、もっと自信をもって自分を打ち出していきましょう。

「私にはこんな力があるのに」と歯がゆい思いをし続けるくらいなら、その長所をアピールできる場に挑戦してみてください。

短所となる情報が入っているのなら、それはとても良いことです。

なぜなら、自分で短所だとわかっていることを隠すことで、他者に迷惑がかかることを防ぐことが出来ているからです。

でも、もしかしたら短所を隠すのに疲れてしまっているかもしれません。

気分転換を測ったり、短所を見せても大丈夫と思える人に思い切り甘えることも必要です。

3・自分は知らないが他人は知っていること ~盲点の領域~

自分のことを書き出している時、Aさんは同僚から「聞き上手の癒し系だね」と言われたのを思い出しました。

Aさんは自分のことを「癒し系だ」と思ったことはありません。

自分が話すのが苦手なので人の話を聞くだけにとどまっている、と思っていました。

でも同僚から見れば「聞き上手の癒し系」に見えていたようです。

Aさんは「自分は知らないが他人は知っていること」の領域に「癒し系」と書き写しました。

「自分は知らないが他人は知っていること」の領域は、正式には「盲点の領域」と言います。

自分では気づいていないことが他人の目から良く見える、という事はよくあることです。

ここに長所となることがたくさん入る人もいるでしょう。

他人から良い点をよく指摘される人です。

そういう時はもっと自信を持ちましょう。

意識せず無自覚のまま良い振る舞いをするだけの人間力の素地が備わっているのです。

きっと他者からは魅力的な人に見えています。

謙遜と自信のバランスが取れれば、もっと魅力ある人に慣れますよ。

ここに短所がたくさん入るときは、もう少し人の話をよく聞くことに努めましょう。

無自覚な欠点をよく指摘されるという事は、無意識に不適切な言動をしているという事です。

大人になればなるほど欠点を指摘してくれる人は少なくなります。

自分から積極的に聞き、改善する姿勢を見せれば、周りの人の目も肯定的なものになるでしょう。

4・自分も他人も知らないこと ~未知の領域~

Aさんは作業をしているうちに気づきました。

「自分も他人も知らない」の領域には何の情報も入れられないのです。

考えてみれば当然のことです。

自分も無自覚で他者にも指摘されない情報は、手に入れようがないのですから。

Aさんは「自分も他人も知らない」の領域を見つめ、「ここにはどんな情報が入るのだろう」と考えました。

「自分も他人もしらない領域」は、正確には「未知の領域」と言います。

ここに何かを書き入れるのは、今は不可能です。

ここに書き込むタイミングは、今より先の未来にあります。

年齢を重ね経験を積み、いろいろな人と出会いながら、人は少しずつ変わっていきます。

過去の自分には思いもよらなかったことを未来の自分はしているかもしれません。

旧友たちに「変わったね」と言われるほど、考え方が変わるかもしれませんね。

そうした未来の情報がその領域に入るのです。

ここは可能性に満ちた領域。

将来的に肯定的な情報をたくさん書き込めるように、心を整えてあなた自身をできるだけ成長させていきましょう。

■客観性の真意とは

冒頭で「自分の言動が他者にどう映るか」を判断する力が客観性であると私は述べました。

ジョハリの窓はそれ以上に深い客観性を提示してくれます。

ジョハリの窓が開発された目的は、「自分の思う自分」と「他者の思う自分」のずれを認識し、それを修正していくことです。

両者のずれが少ないほど他者との合意を形成しやすくなり、良好な社会生活を送ることが出来ると言われています。

ジョハリの窓の「開放の領域」を広げていくように行動することが今後の指針となるのです。

積極的に自己開示をし、他者に自分を理解してもらう機会を作ること。

他者の評価を自分の中に受け入れていくこと。

それがただの判断にとどまらない、本当に客観的な行動なのです。

大人は価値観が固まっていて、柔軟に自己開示したり他者評価を受け入れたりできなくなりがちです。

でも、一度ジョハリの窓で自分のことを整理してみれば「どこを開示するか」「何を受け入れるか」がはっきりします。

自己開示や他者受容と言ったハードルの高い行動も、少しとっつきやすくなるかもしれません。

将来「未知の領域」に肯定的な情報を書き込めるようになるためにも、心に少しの柔軟さを取り戻してみてください。

周りの反応が今までと違って見えてくることでしょう。

 

ジョハリの窓を覗いてみる

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